私たち法華衆は、日々の勤行の中で、先祖・故人の追善回向を祈ります。
仏法では、たとえ正法を全く知らずに地獄に墜ちた故人であっても、題目を送ることで罪障消滅させ、成仏させることができると説きます。
生死を問わず、本人が祈っていなくても、功徳・福運を回向することができるのです。
これは、第8識(阿頼耶識)において、一切衆生の宿業が共有されているからです。
三世間(個人・衆生・国土)は、本来一体です。
個人の宿業と国土の宿業は、厳密に分けて考えることはできません。
たとえば、地域の環境が汚染されれば、あなた自身も健康上の被害を受けますよね?
あるいは、放火魔が1人でも出現すれば、その地域全体が危険にさらされます。
一家一族であれば、なおさらです。
具体的には、追善回向を祈ることで、故人の宿業があなたの身に現れます。
先祖ががんで亡くなり、その宿命が転換されていなければ、あなた自身ががんになるわけです。
もちろん、それだけだったら信心などしないほうがいいことになります笑
何より肝心なのは、御本尊の妙力によって、宿業が変毒為薬されることです。
早期にがんが見つかり、転移もなく、手術も無事成功します。
また、この病が因となって逆に寿命が延びます。
もちろん、故人の宿業も転換されています。
何より、子孫が二度と同じ病で苦しむことは無くなります。
あなた1人の信心によって、上七代・下七代に至るまで功徳が回向されるのです。
時には、信心している人が若くして亡くなる場合もあります。
これは、不治の病で何十年も苦しむはずの宿業を転換したものと考えられます。
すぐに健康に生まれてこられるので、心配はいりません。
宿業が深いというのは、その同志が過去世で極悪人だったからではありません。そのように考えてはいけないし、そう思わせてもいけません。
彼は地涌の菩薩として、それだけ多くの宿業を「引き受けて」生まれてきたのです。
お互いを仏として信じあうことが、和合僧なのです。