随筆 人間世紀の光 より
女性の社会進出は、歴史の必然だ。
だからといって、何か仕事のキャリアを持たなければ時代遅れであるかのように考えるのは誤りであろう。
男女を問わず、すべての人が高いキャリアを実現することは不可能です。
東大にも定員があるし、上場企業に就職できる人数も限られています。
キャリア = 幸福 という考え方は、ほとんどの人を見下し、不幸にする危険思想なのです。
仏法には桜梅桃李の考え方があります。自分に適していないキャリアは、桜が李の花を咲かせようとするようなもので、決して幸せをもたらしてくれません。
これは、組織での役職についても当てはまるでしょう。
誰もが幹部に向いているわけではないし、目指す必要もありません。
不向きな人に役職を押し付けるのは、本人にとっても周囲にとっても不幸です。
桜の人に、李を咲かせることを求めてはならないのです。