日蓮というと、法華経のみが正しいと主張し、他の宗派を厳しく攻撃したことで「独善的」だとされています。
しかし、これは仏教を全く知らないド素人の評価に過ぎません。
法華経以外の経典では、女人の即身成仏は認められていません。
女性は、長い修行の末に男に生まれ変わって、初めて成仏の資格が得られるとされているのです。
なので、世界中の全ての仏像は、男の姿をしています。
法華経で初めて、女人の即身成仏が説かれ、一切衆生が平等であることが明白にされました。
なお、観世音菩薩は俗に女性とされる場合もあるのですが、梵名のアヴァローキテーシュヴァラが男性名詞であること、華厳経に「勇猛なる男子観世音菩薩」と書かれていることなどから、正式には男性であることは間違いありません。
菩薩像は全て、成道以前とされる若き日の釈尊がモデルとなっています。
つまり、
法華経以外のお経(権教)は、一切衆生の半分である女性を差別しています。現在人の基準に照らせば、完全にカルトなのです。
日蓮が他宗を責めたのは、権教がカルトであり、下等な教えだからに他なりません。
人権無視のカルト宗教に対して「おたくも素晴らしい教えだ」などと寛大さを見せるのは、まともな宗教者の姿勢ではありませんよね?
ただし、法華経にも一部差別的な表現が見られます。
そこで日蓮は、法華経の神髄が「南無妙法蓮華経」の題目に全て含まれているとし、釈迦の法華経二十八品でさえ、末法の今日では抜け殻でしかないとしています。
仏教から差別的な要素を完全に排除したのです。
それにしても、700年も前に現代的な人権感覚を持っていた日蓮には、本当に驚かされます。
どれほどの迫害を受けようとも、悪を悪として明確に斬っていく。
それが日蓮の生涯変わらぬ姿勢だったのです。