「頼朝陳状」には、大要このような蓮祖のアドバイスが記されています。
あなたはこう申しなさい。
「主君から所領を取り上げられるならば、それは法華経への御布施であり、幸いです」
くれぐれも奉行にへつらう様子ではいけません。
「この所領は、主君の御病気を法華経の大良薬をもって助け奉って、いただいた所領ですから、それを取り上げるならば、また御病気が再発するでしょう。そのときになって謝罪されても、もはや用いません(江間家に戻りません)」
そう言い放って、憎々しげに帰りなさい。
このように蓮祖は、信心ゆえの迫害に対しては、主君が相手であろうと決してひるんだ様子を見せてはならないと御指導されています。
社長や上司が法華経を嫌っているという人は、今でも多いでしょう。
そのために不利益を受けたとしても、それはそのまま法華経への供養になるのだから、決して嘆き悲しむ必要はありません。
だからといって、理不尽な迫害を甘んじて受け入れる必要はありません。この信心はキリスト教とは違います。
迫害した方も大罰を受けることになり、かえって無慈悲です。
学会員ということで差別的な待遇を受けたとしたら、法務局や弁護士にも相談して、断固撤回させることが「主君への報恩」なのです。