21世紀への対話より
バスは別として、自動車は輸送手段としてはきわめて効率が悪く、運ぶ人数の割に道路で大きな面積を占めるという欠点があります。
しかも混雑による交通マヒのため、自動車本来の利点であるはずのスピード性も失われ、また一方通行などの交通規制によって、どこへでも行けるという自在性も低下しています。
根本的な解決を考えるなら、自動車の生産や販売台数を、道路施設の許容量と勘案して、厳重に規制することが先決だと思います。
自動車が無くても困らないように、都市部と近郊の公共交通機関を充実させることは必要です。
戦後日本は大量消費を国策としてきたため、「一台でも多くの車を売る」ことを目指してきました。
その結果、特に都市部では渋滞が慢性化し、車本来の機能が発揮しきれないという本末転倒をもたらしています。
これを解決するには、やはりまず車種別に登録台数を定め、無制限に車を売ったり、所有できないようにすることが必要です。
その分、バスやトラックなど公共性の高い車種の台数を増やし、マイカー不要のエリアを拡大していくことが、渋滞を解消し、市民生活全体の利便性を高めることになるはずです。
バスや列車の利用者が増えれば、車両の空きが減り、その分料金も安くできるはずなのです。