21世紀への対話より
陰陽五行説は、宇宙と人間の関係を「大宇宙対小宇宙」の関係としてとらえようとするもので、私は、その方向は大体において正しいと考えています。
ただ、陰陽五行説は、数の配列にとらわれて形式主義に走った結果、東洋医学もしだいにその影響を受けて現実から離れ、観念的になっていったことは事実です。
日興上人は当時の慣例に従い、陰陽五行説(風水)に従って大石寺開山の地を選ばれています。
仏法は
随方毘尼ですから、仏法の本義に強ちに背いていない限り、それぞれの時代・社会の常識を尊重するのです。
摩訶止観には、仏法だけでなく気功や漢方も紹介されています。つまり、像法時代の仏法はその体系に陰陽五行説も含まれていたのです。
仏前に火や水や金(鐘)を備えるのも、五行説の影響でしょう。
しかし、五行説は次第に形式化し、末法の今日において衆生を救う力は持っていません。
したがって今さら気功や漢方を学ぶ必要はないのです。