戸田先生は理事長退任時代、日曜には選び抜かれた14人の青年を自宅に招いて御書や文学を講義しましたが、夕刻になると自ら台所に立ち、弟子のために豪華な手料理までこしらえたそうです。
この時期の戸田先生は経済的にも厳しく、奥様も働きに出ていました。
自らが食べるものにも困っている中で、青年たちにだけはたっぷり食べさせてやりたいという、師の慈愛があふれていました。
戸田先生が、幾十万の青年に慕われ、師と仰がれた理由の一端が、ここにあります。
厳しいだけでは、青年はついてきません。
厳父と同時に慈母の徳をも兼ね備えるのが、真の師なのです。