発達障害にはアスペだけでなく学習障害もあります。
学習障害には、知能は正常であるのに、基礎的な計算や読み書きが著しく苦手という特徴があります。
学校教育の中では不利な条件であるため、学習障害の人の多くは、低い学歴です。
このうち計算障害は、計算機を使うなどして、日常生活の不自由をある程度カバーできます。
仮に「1+1」が分からないほど重度の計算障害だったとしても、計算機の使い方さえ分かれば、正しい解を導き出すことは可能です。
教育現場においても、計算機の使用を認めて、計算障害のハンディを軽減する工夫が必要でしょう。
欧米の学校では九九すら教えておらず、単純計算力で学力を測るのは時代遅れです。
特に問題になるのは、読み書きの障害です。
文章や文字を正確に理解できないため、メールやLINE、各種文書の内容を正しく把握することが困難です。
しかし知能は正常なので、耳で聴けば正しく内容を理解できます。
オンラインの文章は「音声機能」を使うことで聞き取り可能ですが、聖教新聞など、印刷された文章はお手上げです。
つまり、学習障害の同志には「読み聞かせ」が欠かせません。
中には、学習障害の同志にあえて御書講義や文書作成を担当させるなど、苦手を克服するための「訓練」を課している組織があるかもしれませんが、これは先天的な「障害」なので、どんなに厳しく指導訓練しても、克服には限度があります。
婦女や多宝の友に力仕事を担当させても、男子部と同じようにできないのと同じです。
専門知識のない素人が、思いつきで発達障害の人に訓練を行うことは虐待でしかなく、絶対にやめるべきです。
医者でもないのに、病気や障害が治る・治らないと決めつけてはいけません。
むしろ「得意分野を伸ばす」ことにフォーカスしたほうがいいでしょう。読み書きを必要としない活動はいくらでもあります。
イギリスの有名な実業家リチャード・ブランソンも学習障害を持っています。適切な訓練を受けられれば、大きく伸びるはずの人材です。
発達障害が認知されてきたのは今世紀に入ってからで、年配の幹部の中には、発達障害そのものを知らない人がまだいると思います。
しかし、学会のように大きな組織に、発達障害の会員がいないことは、絶対にあり得ません。
したがって、全幹部に発達障害の知識があることは、組織運営の最低条件です。
新任の幹部には必ず研修を行うべきだし、幹部自身の発達障害が判明した場合には、本人の意思を考慮した上で、役職の交代も検討されるべきでしょう。
成仏と役職は無関係です。役職を続ける意思と、信心の強さを混同してはいけません。
池田先生は、反対意見を無視してかなり強引に会長を勇退されていますが、それは信心を失ったからなのでしょうか?
今の立場が向いていないのであれば、別の立場で活躍すればいいのです。