人間革命3巻より
純粋な教団というものは、けっして人工的な組織ではないのだ。
組織は、自然発生主義でなくてはいけない。
池田先生が昭和35年10月に北米を訪問された時点で、現地にはすでに300人近い法華信徒が移住・誕生していました。
組織が無い中でも、異国の地で懸命に励まし合って折伏に励んでいたのでした。まさに世界広布先駆の使命を全うしていたのです。
たとえ事情で組織から何年も離れていたとしても、地道に信心を貫けるのが、真の人材です。
池田先生は現地のメンバーに直接会い、現状を踏まえたうえで、さっそく組織(NSA)を結成されました。
ここで大事なのは、あくまで先に「人材」がいて、後に「組織」「役職」が付随したということです。
誰もいないところに組織を作って、そこに人を当てはめていったわけではないのです。
学会の歴史は常に、まず1人立つ人材がいて、眷属が現れ、自然発生的に組織が生成されていっています。まさに仏法の方程式通りの生きた組織です。
学会の役職は、あくまで属人的でなくてはなりません。
たとえば「参謀室長」という役職は今は存在しませんが、それにふさわしい人材がいない限り、無理に任命する必要は無いのです。会長でさえ、何年も空位だった時期がありました。
人がいなければ、部長でも本部長でも空席にしておけばいいのです。
また、あえて正の役職は少し空けておかないと、いざ人材が出てきたときに抜擢できません。
正役職の空きがない場合、前任者をむやみに外すわけにもいかないので、せっかくの人材を副役職で何年も飼い殺しにするハメになります。
肩書を与えただけで、人材が勝手に育つものではありません。「死んだ人事」は組織を殺してしまいます。
また、肩書で変わってしまうような「歯車人間」が幹部になっては、むしろ危険です。
1人立つ人材をサポートするための組織であり、役職なのです。