池田大作全集102 152頁より
政治制度の現発達段階において、民主主義にまさる制度はないと思います。
しかし、これはあくまでも、相対的な意味においてであって、民主主義にも固有の欠点なり、内在的な危険というべきものがあります。
このように池田先生は、民主主義も万能ではなく、その限界を何十年も前から警告されてきました。
事実、日本では有権者の誰も望まない消費増税が進められてきました。世襲でなければ総理になれない「封建時代」に逆戻りしています。
アメリカでは、認知症を疑われる後期高齢者しか大統領の選択肢がありません。民主主義の限界は、世界的にますます鮮明になっています。
その原因のひとつには「有権者自身の高齢化」があるでしょう。
かつてないほどに人類の寿命が延びた結果、子育て世代以下の発言力は低下する一方です。それは、少子化の加速という明確な数字に表れています。
つまり、今のような単純な1人1票の考え方では、国民の存続すら不可能なのです。
これをフォローするためには、あえて高齢者の(被)選挙権に制限をもうけるといったことも必要でしょう。
より具体的には、有権者の人口バランスと無関係に、各世代に議席を公平に分配するクォーター制などです。議員が特定の世代に偏らないようにします。現状、特に20代が少なすぎます。
民主主義も手段であり、それをドグマとして狂信することがあってはならないのです。