池田大作全集102 84頁より
日本は完全中立を志向して、戦争なき平和な世界、さらには国境なき世界の実現に向って、積極的に働きかけていかなければならないと信じております。
現状、敗戦国である日本は、米国と同盟関係にあり、西側に組み込まれています。
それはそれとして、将来的には永世中立国スイスのような立ち位置を目指すのが理想であると、池田先生は考えていました。
事実スイスは、2度の世界大戦とも惨禍を免れています。
地政学的にも、ユーラシア内陸に位置するスイスが緩衝地帯となって、EUとロシアの緊張が緩和されているのも事実です。
今回のウクライナ紛争でも、スイスの存在が世界大戦へのエスカレートにブレーキをかけていることは間違いありません。
平和憲法を抱く日本も、スイス以上の平和への貢献ができるはずです。
池田先生が当時あえて旧ソ連や中国との関係改善に尽力されたのも、日本が東西両陣営と等距離となることで、平和調停の役割を果たせると考えていたからでしょう。
国境廃止についても言及されていますが、東アジア諸国は劇的な少子化で独立国家としての存続すら危ぶまれています。
最終的には、25歳未満人口が6億人もいるインドを中心に、実質的な合併が進んでいくのではないでしょうか。
インドは今回のウクライナ紛争でも中立を保っています。いわば、紛争解決のカギを握っています。没落する中国とは逆に、今後とも、世界への影響力はますます強まります。21世紀はインドの世紀です。
もちろんその際にも、日本が平和中立の理念を放置することがあってはならないでしょう。