人間革命「展開」より
人事の作業は厳正な比較対照に鍵がある。
ある地域で大勢の学会員ができた時、そのなかに中心者となりうるものができていないはずがない。
広宣流布は、どこまでいっても結局は御本尊様の仕事です。自分たちがやっていると思うのは一種の傲慢です。御本尊様の仕事なら、へまをするはずはない。その時、その段階で中心者となりうるものはいるのです。
他の世界ならともかく、わが学会の中で人選の困難に逢着するのは、こちらの目玉に問題があるのだよ。御本尊様は適任者となりうるものを必ず作ってくださっているはずだ。
人事に行き詰る原因は、主に「前役職」「年齢」「性別」「学歴」など、世法の基準に囚われていることです。
例えば、ある地区リーダーが折伏で本部1番の結果を出したとします。
この場合、彼が次の本部長になるのが当然ですよね?
しかし現実には、先輩の部長を飛び越して昇進させることをためらってしまい、「まずは部長から」というありきたりの人事になってしまうわけです。
抜擢されるべき若手が抜擢されていません。
地方では人の移動が少ないため、特に人事のスピード感が欠けています。
今の学会には、こうして「飼い殺し」にされている青年リーダーが山ほどいます。それは組織も停滞するわけです。
力ある青年は、誰にも文句を言えない結果を出したうえで、自分を幹部にするよう「直訴」すべきです。
また「年功序列」も組織を腐らせる大きな要因です。
そこそこ長く活動していれば、折伏や教学が苦手でも自動的に役職が上がってしまう現実があります。
その結果、本尊流布を決めたことがない部長とか、本部長が出てきてしまうわけです。
このような任命をする側も、受ける側も、学会の組織をナメているとしか言いようがありません。
信心の世界では、どんなベテランでも、折伏を決められないうちは「半人前」です。
また、過去にどれほどの実績があっても、10年20年折伏できていなければ、すでに幹部の資格は無いでしょう。
こうしたニセ幹部を速やかに現場から卒業させ、世代交代を進めることこそ、今の学会に最も必要な人事です。
また、性別もいまだに大きな壁となっています。女子部出身の青年部長など見たことがありません。
本来、青年部長は男女交互に出すべきだと思うのですが。
草創期においては、女性の地区部長も存在しました。
四者が縦割りになってしまい、全体の力が結集できなくなっているのも、今の組織の弱点でしょう。
ヤングミセスのメンバーが青年大会に参加できないのは、気の毒なことです。
学歴は、特に最高幹部クラスで問題になってきます。
三代会長は、誰もエリート大学など卒業していません。
学会のリーダーは庶民の代表であり、御立派な肩書などいりません。
もし今後、東大卒でなければ会長になれないような創価学会になってしまったなら、もはや広宣流布は終わりでしょう。
一、下劣の者爲りと雖も我より智勝れたる者をば仰いで師匠とすべき事。
日興遺誡置文