御本尊に記された十界の衆生には、仏の持つ主師親の三徳が表現されています。
親の徳を代表的に示しているのは、鬼子母神でしょう。
師の徳を示しているのは、釈尊です。天台伝教を加えてもいいでしょう。
主の徳を示しているのは、一切の諸天善神を従える大梵天王です。
この御本尊を保つあなたは、全宇宙一切衆生の慈母であり、恩師であり、また主君なのです。
なお、インド神話では梵天(ブラフマー)は天地創造を、第六天魔王(シヴァ)は天地破壊を司る表裏一体の神とされています。
つまり、魔王はもともと梵天の影のような存在なのです。
この信心で梵天の働きが強まれば、世法上の地位や権力などの「支配力」も、自然に備わっていきます。
これを表しているのが第六天魔王なのでしょう。
ただし、魔王そのものを本尊とすれば、支配欲が暴走し、全てを滅ぼすことになります。
地位や権力は、あくまで法華経の功徳の一分に過ぎないことを忘れてはならないでしょう。