昭和44年3月1日寄稿「創造性ある全体人間たれ」より抜粋
婦人の特質は平和主義にあるといってよい。
子どもを育て、幸福な家庭を築くという婦人の最も重要で切実な仕事は、社会、国家、そして世界の平和無くしては、ありえないからである。
本性的に男女の特性を言えば、男性は闘争と破壊であり、女性は平和と建設であるといえるように思われる。
真に崩れざる世界平和の建設という、この人類の悲願を実現する鍵は、女性がその自己の特質をいかにして発揮し、社会、国家、さらには世界を舞台に生かしていくかにかかっていると断言しておきたい。
しかしながら、それは(中略)女性上位時代などといったものをいうのではまったくない。
女性はあくまで女性として、その特質を発揮し生かしていくのでなければ、なんの意味もない。
男性と同じように振る舞うことが男女同権であり(中略)平等であると錯覚したところに、戦後の男女同権がなにものをも解決しえず(中略)不毛化してしまった根本原因があると思われる。
この妙法を受持した婦人こそ、真の女性解放の先駆者であり、その力を社会、世界の上に発揮して、人類の平和の新時代を拓く唯一の原動力であると確信したい。
学会婦人部の皆さんは、全婦人の指導者として広く社会的な見識と人生についての英知をもって、社会を舞台に活躍していく婦人であっていただきたいと思う。