ノンフィクション作家の草柳大蔵氏は、池田先生に取材した際、戸田先生の個人教授で使用されたテキスト21冊を借り受けました。
その全てに書き込みや赤線がびっしりだったそうです。
そのリストは
シャーウッド・テーラー「物質のすがた」「動力」「波」「化学」「生命」「地球と天体」
ジョージ・ガモフ「ガモフ全集」
一柳寿一「地学概論」
太田哲三「会計学」
青野寿郎「人文地理新研究」
尾高朝雄「法学概論」鵜飼信成「憲法」国家学会「新憲法の研究」林信雄「日本労働法」
高田保馬「経済学原理」「社会学概論」波多野鼎「経済学入門」
矢田俊隆「世界史」熊谷幸次郎「日本史 概説と問題点」
ジョン・ゴライ「イギリスの政治制度」鈴木安蔵「政治学」
まず特筆すべきは、およそ半数が理系のテキストであることです。
日本では、組織のトップに理系の素養は不要というマインドがいまだに残っていますが、世界のエリートは文理両道を極めているのが当然であり、とっくに通用しません。
また、会計や労働法など、経営実務に直結する教材も使用されていました。
全体としては、概論や入門など、各分野の全体像をつかめるテキストであることが大きな傾向です。
今としては古めかしいリストに感じられますが、当時としてはもちろん最先端のテキストです。
水滸会で古典の名著がテキストに選ばれていたのとは好対照です。まさに、戸田先生が池田青年を後継者として明確に選ばれていたことの証明です。
今日、青年リーダーが学ぶべきテキストは、例を挙げるなら
「21世紀の資本」「ファクトフルネス」「サピエンス全史」「ホモ・デウス」「日本人の勝算」「オードリー・タン」「ライフスパン」などでしょうか。
やや古い本ですが「日本/権力構造の謎」「さらば財務省」なども必読でしょう。
順番などは気にせず、手に入ったものから読んでいけばいいと思います。すべてを暗記する必要はなく、ポイントがつかめていれば十分です。
これらを学生時代、遅くとも20代のうちに読破していなければ、リーダーの資格はないとすらいえるでしょう。