新・人間革命「開拓者」より
仏法には、願兼於業ということが説かれています。これは、仏道修行の功徳によって、幸福な環境に生まれてくるところを、自ら願って、不幸な人々の真っただ中に生まれ、妙法を弘通するということです。
もともと女王のような何不自由ない生活をしていた人が、信心して幸せになりましたといっても、誰も驚きません。
しかし、病気で、家も貧しく、周囲からも蔑まれていた人が、信心をすることによって幸福になり、社会のリーダーになれば、仏法の偉大さの見事な証明になります。
苦悩が深く、大きいほど、見事に仏法の功力を証明することができる。
宿業とは、使命の異名ともいえるんです。
あなたの苦しみも、仏法の深い眼から見れば、本来は富裕な大女優が、舞台で悲劇のヒロインを演じているようなものです。
しかも、人生劇場の舞台の上でも、ハッピーエンドになるストーリーなんです。心配はいりません。必ず幸せになります。
日蓮仏法では、末法の世に生まれた人は、誰もが地涌の菩薩であり、法華経を広める使命があると説いています。
もしあなたが離婚したのなら、それは「離婚しても幸せになれる」ことを証明する使命があるからです。
あなたは「離婚するために生まれてきた」のです。
あなたが破産したのなら、破産しても幸せになれることを証明する使命があるからです。
あなたは「破産するために生まれてきた」のです。
あなたが末期がんに侵されたなら、末期がんでも幸せになれることを証明する使命があるのです。
あなたは「末期がんになるために生まれてきた」のです。
現代人の何割かはがんで亡くなりますが、それは決して「人生の敗北」などではありません。
生死は自然な生命のリズムであり、理想の臨終が必ず実現できるはずです。
それらはあなたが望んで背負ってきた宿業なので、必ず乗り越えることができます。法華経を信じ抜けば、必ず幸せになれます。
あなたは、宿業に勝つため、人間の無限の偉大さを証明するために、この世に生まれてきたのです。