日蓮は、特に信仰の篤い信徒に対して「日号」や「聖人号」を授けていますが、唯一、両方の称号を授けたのが、日妙聖人(日妙尼)です。
幕府の弾圧によって、日蓮の教団は一時壊滅状態に陥りました。信徒のほとんどが退転したといわれています。
その逆風の中で、夫と離別し(性別か死別かは不明)、幼子を抱えて信心に励んでいた日妙聖人は、はるばる流罪された日蓮を訪ねて佐渡にまで訪れています。
日蓮はその健気さを最大限に讃え、妙法蓮華経の第一の行者という意味を込めて「日妙聖人」の称号を彼女に贈ったのです。
法華経以外のお経では、女人の成仏は認められていません。なんと、一切衆生の半分が成仏できないのてす。
仏教に限らず、キリスト教でもイスラム教でも、世界のあらゆる宗教で、女性は差別されています。
しかし法華経を信じる日蓮にとっては、一切衆生は平等ですから、男女の差別などありません。
(「平等」はもともと仏法用語)
日蓮仏法こそ、人類史におけるヒューマニズムの元祖なのです。