若き日の日記1956/12/10より
父死去。享年68歳。
死因、心臓老衰。
皆が、テレビを見ている間に死との事。
これは、自宅でいつも通り過ごしているとき、前触れなく心不全を起こしたということでしょう。
家族がいたのであれば、倒れる物音やうめき声が聞こえそうなものですが、それすらなかったのですから、眠るような最期だったと考えられます。
ある意味で、最も理想的な臨終です。
人が死を恐れるのは、「死に方は選べない」からです。
交通事故で五体がバラバラになるかもしれないし、何年も寝たきりで床ずれに苦しむかもしれません。
どのような臨終にも動じないために、われわれは信心しています。
その上で、まだ未入信だった師の岳父が安らかな旅立ちだったのは、功徳が家族全体に回向される、何よりの実証だったのではないでしょうか。