米兵は沖縄の民間人を火炎放射器で焼き殺した
希望対話より
私は、小説「人間革命」の冒頭を、「どこで書き始めようか」と考えました。
考えた上で、沖縄に行って書き始めたのです。
沖縄ほど、戦争の悲惨を味わったところはないからです。
「日本の権力の魔性」の犠牲になってきたところはないからです。
「本土のため」に、沖縄を「盾にした」と言ってよい。
住民の、何と4人に1人が亡くなった。
話すだけでも、怒りの涙がこみあげてくる。
住民を助けるべき日本軍が、反対に、住民の隠れていた壕を奪い、食料を奪い、生命を奪ったという。
「戦争の足手まといになるから」という理由で、味方であるはずの日本軍から、集団で、自決(自殺)を命令されたのです。
家族や知り合いが、お互いに、鎌や鍬やこん棒をもって打ち合い、カミソリでのど元を切り、殺し合わなければならなかった
これは極めて重要な証言です。
池田先生は、決してたまたまではなく、「ここしかない」という思いで、沖縄を「人間革命」起稿の地に選ばれたのです。
先生が、いかに沖縄戦を重大に受け止められているかが分かります。
日本という国の卑劣さは、沖縄から見ないと、決して分かりません。
沖縄戦がとりわけ悲惨だったのは、日本軍上層部の補給計画がずさん過ぎたことです。
必要な食糧が届かなければ、現地で調達するしかありません。
しかし、住民にも軍に分け与える余裕はありません。そうなれば、略奪が横行することは自明の理です。
日本軍が鬼畜と化した最大の責任は、やはり上層部の無謀な作戦にあります。
現場を知らずに一方的な打ち出しを押し付ければ、必ず無理が生じるという、歴史の教訓でしょう。