池田大作全集91 372頁より
戸田先生は亡くなられる直前、私を呼ばれて、こう言われた。
「大作、創価学会は大きくならなくてもいい。同志が皆、元気で、幸せに生活していければ、それでいいんだよ」
先生の遺言である。
広宣流布は末法万年に渡る永久運動であり、ひとつの時代に広まることより、絶え間なく受け継がれるほうが重要です。まさに火の信心より水の信心です。
組織の拡大が目的になると、数字しか見えなくなり、成果主義、ノルマ主義に陥ってしまいます。
御書には、拡大の数値目標など一行も記されていません。活動の中で目標が打ち出されるのは、あくまで皆が功徳を受けるための方便です。
特に肝心なのは、何人が信心しているかより、常に「1人立つ後継の青年リーダーを育てられるか」です。
その意味で、日興上人を育てられた大聖人は勝ちました。牧口先生も、戸田先生も勝ちました。成仏は疑いありません。
特に牧口先生は、結果として創価教育学会を潰してしまい、最高幹部も皆退転してしまいました。
戸田先生を育てたこと以外、後世に残る功績はありません。
しかしその「唯一の功績」によって、永遠の師匠としての資格があるのです。組織の盛衰など結果論であり、枝葉です。
池田先生が成仏できるかどうかは、弟子であるあなたで決まります。
創価学会の組織といえど、結局は1人立つ青年リーダー、つまりあなたを育てるための手段にすぎません。あなたが功徳を受け、成仏できるかが全てです。
1人の青年が仏界を湧現させれば、その功徳は六万恒河沙の眷属、すなわち同志全体に回向されます。
学会は永遠に組織主義ではなく、人間主義で進んでいくのです。