多くの同志の中には、うつや統合失調症などと戦っているメンバーも大勢います。
いくら教学に精通した学会の幹部でも、心の病には素人ですから、適切な激励は困難です。
うつの人に対して「勤行や折伏に挑戦しよう!」と激励しても、ますます追い込んでしまいます。
うつというのは、行動したくても体が動かず、そのことで自分を責めてしまう病なのですから。
つまり、素人の激励は逆効果になる恐れが大きいのです。
残念ながら、自ら命を絶つメンバーの例もあります。
また統合失調症の場合、妄想を伴うことがあり、話の真偽を素人が判断することは困難です。
被害妄想の場合、担当者が敵視されるリスクもあります。いたずらに接触するのは危険です。
原則として、心の病と闘う同志は、専門知識を持ったドクター部が担当すべきでしょう。
それが難しくても、担当者は必ずドクター部の指導を受けてから激励すべきです。決して素人が自己判断すべきではありません。
もちろん、男子部という縦割りの中で考えるのではなく、四者の連携が必要です。
本来、あらゆる分野の専門家がそろっているのが、学会の強みであるはずです。
蓮祖は、病苦の弟子に対して、医師だった四条金吾を紹介し、
「彼の性格を考えると、私からではなくあなたから直接治療を頼んだほうがいい」
と、きめ細かく具体的なアドバイスを送られています。
断じて「祈っていれば治る」などという、観念的な指導などされていません。
具体的な悩みには、具体的な指導が必要です。
例えば、前科のあるメンバーについては、法曹や警察関係の幹部が担当することも検討されるべきでしょう。
多重債務や家族のアルコール依存などといった問題も、早期に専門家を介入させる必要があり、信心の激励だけでは全く不十分です。
1人で全て抱え込んでいたら、組織の意味がありません。それでは、幹部も部員さんも全員が不幸です。
担当しきれないメンバーについては、ハッキリ「私の手に余ります」と断言し、組織にフォローをゆだねることが必要です。
教学力だけで全てが解決できるなどと言うのは、迷信に過ぎないのです。