池田大作全集87 76頁より
アメリカの、ある興味深い研究では、時代遅れの組織を「バッファローの群れ」に譬えている。
一頭のリーダーに皆が従い、リーダーの思い通りのところへ行き、思い通りのことをする。
リーダーの指示をただ待つだけというのである。
人間の組織がそうなってしまえば、もはや烏合の衆である。
こうした組織は、時代の変化に対応できず、衰退していくしかない。
反対に、成功する組織の例に、「雁の飛行」が挙げられている。
雁の群れの飛行は「V」の字の形を成している。
群れをリードする役割を、雁は、皆で頻繁に交代しながら飛ぶというのである。
それぞれが責任者であり、平等であり、団結していくというモデルである。
師弟の大城より
「学会の中に自分がある」のではない。「自分の中に学会がある」という、主体者の自覚が大事なのである。
青春時代より、私も、そうしてきた。
役職が最前線の一幹部であっても、学会のことは全部、我が課題であるととらえ、どうすれば広宣流布が進むのかを悩み、考え、祈った。
戸田先生ならどうされるだろうか、どうお考えになるだろうかと、広宣流布の大将軍である先生のお立場にたって、万事に対処していった。
かつてワールドカップの決勝トーナメントで、ブラジルのエースだったネイマールが負傷欠場を余儀なくされたことがありました。
突然大黒柱を失ったブラジルは、次の試合でドイツに歴史的大敗を喫してしまいました。
これは、組織戦においても「個の力」が決定的に重要であることを物語ると同時に、個人に依存してはならないことを物語っています。
中心者個人に負担が集中している組織は、万が一彼が倒れた時、総崩れになってしまいます。
歴史的には、始皇帝の死と同時に崩壊した秦や、アレキサンダー帝国などが、そうした組織の典型でしょう。
中心者を支えていくだけでは、まだ半分です。
それぞれが、いつ次の中心者に選ばれてもいいよう、自らを鍛えぬいておくことが、真の異体同心です。
ともあれ中心者は「長老化」を防ぐため、任期を厳格に守るべきです。
中心者がいつまでも交代しないのは、青年を育てていないということであり、それ自体が中心者失格です。
また、負担が大きすぎれば、楽をしたがる中心者が出てきてしまい、腐敗の温床となります。これでは誰のためにもなりません。
学会でみんな役職を受けたがらないのは、任期がハッキリしないからです。
役員の任期が不明などという組織は、明らかに時代遅れです。
少なくとも正の役職については、数年で交代を原則とすべきではないでしょうか。