今回の参院選において、公明党は改選議席を増やして勝利しました。
自民は議席を減らし、公明党の発言力が相対的に強まると予想されます。
しかしながら、比例区の得票においては、新進党解散以来最低の653万票に落ち込んでいます。
これは、
前回3年前から100万票以上も減らしています。完全な異常事態です。
もともと公明党は得票数が最も安定している党とされてきましたが、その神話は崩壊したとみていいでしょう。
3年前、公明党に期待して快く一票を投じてくれた100万有権者が、今回どのような気持ちで「ボイコット」したかを想像すると、悲しみを禁じることができません。
われわれは確かに、たった3年で100万の味方を失ったのです。
この原因は、党と学会の双方にあると考えられます。まず党側の要因から分析してみましょう。
今の選挙制度では、比例区の得票を増やすより、小選挙区の議席を守るほうが党勢維持のために重要です。
そのためには自民との選挙協力を重視せざるを得ず、政策も保守に偏りがちとなります。
有権者にとっては、自公の違いがハッキリ見えません。
したがって自公を支持している一般有権者は、小選挙区では公明党の候補に投票しても、比例区は普通に自民に入れていると考えられます。
例えば、神奈川では佐々木さやか候補が61万票を獲得しましたが、比例区は41万票と、わずか2/3にとどまっています。
佐々木候補の人気がとりわけ高いこともありますが笑、
小選挙区の得票の何割かは、学会ではなく自民支持層から出ているのです。
選挙協力は小選挙区ではおおむね機能しているものの、比例区では機能していないと言えるでしょう。
良くも悪くも、公明党は学会頼みの政党から進化しようとしています。これを一概に否定する必要はありませんが、自民支持層のみを見て大衆の代表とみなしているとしたら、大きな誤解です。
また、消費増税を掲げて戦ったことも、大きく票を落とした理由のひとつです。
今回は「消費税収は安定しているので社会保障の原資に向いている」という財務省の論理を公明党が丸パクリで繰り返しましたが、
安定性を重視するなら保険料を上げるほうがはるかに確実であり、消費税を正当化する理由になりません。
中学生にも「破折」されてしまうレベルの論理です。
財務省が安定税収にこだわるのは、自分たちの仕事が楽になるからにすぎません。
第一、消費増税に賛成なのに軽減税率を導入するのは自己矛盾です。
シンプルに「消費税はできるだけ上げないほうがいいので軽減税率を導入した」と言い続ければ良かったのです。事実、それが本来の目的だったはずです。
今回の結果を見ての通り、軽減税率導入の実績も有権者に評価されていません。
国民は軽減税率そのものに反対なのではなく、「2%では気休めに過ぎない」と考えているのです。
最低税率8%は、世界でも最高レベルです。
せめて5%以下で無ければ、軽減税率としての意味を持たないでしょう。
公明党は今からでも遅くないので、「軽減税率は5%以下を目指す」と主張すべきです。
次に学会側の要因も確認していきましょう。
まずは、明らかに「支援活動が形式となっていて、得票に結び付いていない」ことが挙げられます。
聖教新聞の公称部数は550万部です。これは実質会員と会友を合わせた数字です。
新聞を取っている人は、おおむね公明党に入れていると考えていいでしょう。
ここに、マイ聖教を購読していない未入会家族らの公明党理解者を合わせれば、おおむね650万に達するはずです。
すなわち、
比例区においては、良くも悪くも、基礎票以外はほとんど入っていないのです。
具体的に言うと、
本人ないし家族が聖教新聞を購読していない人は、ほとんど比例区で公明党に投票する可能性はありません。データがハッキリ示しています。
日ごろからの仏法対話で学会への理解を深めてもらい、新聞啓蒙が決まるレベルになって、初めて1票になります。
いわゆるFを取るだけでは、ほとんど無意味です。
折伏こそが基礎票拡大の最短距離です。
今の学会は、明らかに折伏力が落ちています。
たとえば男子部では、本尊流布を決めていない部長ばかりか、本部長すら見受けられます。
折伏が決まらないのに、1人で何十票も出していると固く信じて疑わない幹部たちの姿は、滑稽を通り越して哀れですらあります。
池田先生は、6か月に及んだ「大阪の戦い」において、実に5か月を折伏戦に費やしています。
かの「11111」世帯の金字塔を打ち立てたのは、投票のわずか1か月前でした。
この折伏戦で世帯数を倍増させ、まさかと言われた当選を果たしたのです。
「折伏戦に勝利して基礎票を拡大する」
学会は改めて、この原点に立ち戻らなければならないでしょう。
そのためには、折伏できない幹部を一層し、組織を再編する必要もあります。今は組織を分割しすぎて幹部が増えすぎているため、幹部の質が落ちています。
特に、この3年間の戦い方を改めて総括しなければ、今の悪い流れを止めることはできません。
創価学会は永遠に折伏の団体なのです。
※記事のコピー拡散をお願いします