21世紀への対話より
私は、かねてから日本においては福祉経済国家を実現することが望ましいであろうと考えている1人です。
理想的な人類社会に向かっての一段階として、今後われわれが目指すべき社会形態であろうと考えられます。
これからの福祉社会においては、まず精神的福祉水準の向上を第一の目標とし、物質的生活水準の向上はそれを支える二義的なものとされなければなりません。
その上で、平等な分配がなされて国民生活が安定し、しかも国民経済の成長が漸増的にみられる、ということが望まれます。
いまだ発展の途上にある国々に対しては(中略)互いの格差を埋めるという方向に努力をすべきでしょう。
その国の経済力がどれほど国民の福祉に貢献しているかを示すGNW(国民総福祉)が、より重視されなければならないと考えています。
池田先生は、最終的に人類は世界連邦を形成すべきというお考えですが、それまでの段階として、高福祉社会の実現や国際格差の是正を訴えられています。
いまや世界はひとつであり、世界平和無くして立正安国の実現はありえません。
しかしながら、今の世界ではますます格差が拡大しています。
日本においても富裕層が増加している一方で、就職も結婚もできない若者が増えているという二極化が進んでいます。
このブログで一貫して消費増税に反対しているのは、消費税の逆進性が、池田先生の目指す福祉国家とは真逆のベクトルを向いているからです。
日本には1800兆円という個人金融資産があり、これに毎年1%課税するだけで、年間18兆円の巨大財源となります。
また、資産課税が実現されれば、課税前に消費する富裕層が増えるため、景気にもプラスになります。
そうすると地価が暴騰してバブルになるという意見もありますが、固定資産税のほうが高負担なので、実際には心配ないでしょう。
税逃れ目的で海外に資産を移転させようとする場合には、それこそ90%くらいの移転税をかければいいわけです。
つまり、富裕層にしっかり課税すれば、庶民を苦しめデフレを慢性化させる消費税は不要なのです。