人間と仏法を語る⑦より
私も、価値ある人生のために、つねに引き際が大事であることは、十分にわきまえてきたつもりである。
51歳で会長を勇退したのも、こうした思いからであった。
高い地位や名声をもつ人ほど卑しい権力の虜となり、いつまでも立場や権益に執着しがちである。
まことに醜いかぎりである。
池田先生は常々「生涯青春」と語られていますが、これは間違っても、死ぬまで地位や役職にしがみつくことではありません。
どんなにご立派な肩書もあの世には持っていけませんし、世代交代は当然必要です。
先生が就任された当時、会長は終身制でした。その気になれば、ずっと会長のままでいることは可能でした。
しかし、先生は強引に勇退を決断され、弟子に組織を託したのです。
結局のところ、自らの引き際は自ら決めるしかありません。
子どもではないのだから、そのくらい判断できるはずです。
また、中心者がいつまでも変わらなければ、後輩が甘えてしまうことも確かです。
まして中心者が惰性に流されていたら、かえって広布を阻んでしまいます。
青年リーダーを守り、一兵卒として生涯弘教に励むことが、真の生涯青春なのです。