新・人間革命「新航路」より
人事を現場の皆さんの意見だけで決めると、人気投票のようになってしまう場合がある。
リーダーは、誰からも好かれる人柄であることは大事ですが、悪と戦わない人が包容力のある人のように思われ、みんなに支持されることもある。
仏法の世界は、全て多数決というわけにはいきません。
皆が間違った方向に進んだ場合には、たった一人になっても、その誤りを正していかなくてはならない。
民主主義には、衆愚による「数の暴力」という側面もあります。
現在、選挙権は成人から死ぬまで与えられていますが、その結果、必然として、不都合な問題はどんどん未来世代に先送りされていきます。
つまり民主主義の本質は「未来世代を締め出すためのカルテル」であり、世代が進むほど、負担が増大していきます。
民主主義が正常に機能するほど、少子化が進み、人類は自滅していきます。
さらに不都合なことに、人類が滅亡しても、具体的な被害者はどこにもいません。
政治家が、選挙権を持たない、この世に存在すらしない人間のために働くことなどあり得ませんから、民主主義で人類が存続することは、原理的にあり得ないのです。
すなわち真のリーダーは、多数意見を無視してでも、未来世代のために改革を断行できなければなりません。
今、学会は昭和生まれの高齢会員が多数を占めています。そのため、昭和世代の人気でリーダーが選ばれやすい傾向にあります。
しかし、学会は末法万年のための組織ですから、特定の世代で「私物化」することは許されません。
多数派の反対を押し切っても、青年リーダーを新会長に立て、令和の青年学会を築き直す必要があります。
蓮祖は、当時まだ36歳だった興師を後継者に指名されました。
戸田先生は「第三代は青年部から出す」と断言されました。
世代交代を円滑に進めることは、リーダーにとって第一の使命なのです。
衆議爲りと雖も、佛法に相違有らば貫首之を摧くべき事
日興遺誡置文