御本尊は基本的に、法華経虚空会を文字曼荼羅として表現されたものです。
虚空会には六万恒河沙の地涌の菩薩が登場し、さらにそれぞれが六万恒河沙の眷属を引き連れています。
しかし御本尊では大胆に省略され、上首の四菩薩のみが記されています。
このことからも、御本尊では「代表を以て全体を表す」手法が用いられていることが分かります。
代表に一切が含まれているのです。
本尊正中の「日蓮」は、「末法の凡夫」を代表しています。
南無妙法蓮華経も、現実に唱える凡夫がいなかったら、存在しないのと同じです。法本尊といえど、まずは人本尊ありきとなります。
自然界に南無妙法蓮華経の音声は存在しません。必ず人間が唱える必要があります。だからこそ人間が大宇宙に生み出されたのです。
ゆえに凡夫即日蓮、凡夫即本尊となるのです。