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21世紀の日蓮仏法

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なぜ日蓮本尊には色も形も無いのか

他宗では、豪華絢爛な仏像や曼荼羅を本尊としています。

それに対して蓮祖が簡素極まりない文字曼荼羅の御本尊を建立されたのは、他宗へのアンチテーゼであると考えていいでしょう。

釈迦仏法を「貴族仏法」とすれば、日蓮仏法は「庶民仏法」です。

御本尊は蓮祖の己心の虚空会を表現されたものですから、密教のように極彩色の絵曼荼羅であっても、立体的な仏像群であっても、間違いではないように思えます。

しかし、そうしたコストのかかる本尊では庶民に弘められません。当時は印刷技術すら無いわけですから。

また、色や形の枝葉末節にとらわれると、かえって「法」の本質を見失ってしまいます。

何より、法本尊は人本尊とひとつです。

人本尊は身延の山奥で鹿の皮を身にまとい、雪を食べて飢えを凌いでおられました。凡夫の目には庶民を通り越して仙人、いや「野人」にしか見えなかったはずです。

徹して庶民であられた人本尊のお人柄からして、豪華絢爛な法本尊がふさわしいはずもありません。まさに「紙」と「墨」だけで十分です。

ゆえに、正しく御本尊を信じることで、自然に少欲知足の境涯に至るのです。



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