21世紀のパイオニア 192頁より
毎日が、本当につらかった。
夕刻になると、結核特有の微熱が出てくる。休みなく出る咳。
苦しく、なかなか眠れぬことがしばしばであった。
医者は、23~24歳で終わりではないかと言ったことさえある。
だが、毎日激しい仕事でもやりとおすよう努力していった。
だからといって、私は何も、無茶しなさいというのでは絶対にない。
あれだけの緊張がなかったならば、自分の体は病魔に負けていたかもしれない。
心から張り合いをもって勤める仕事があったことは、精神にも肉体にも張りを与え、健康に幸いしたとも考えられる。
病身であっても、ただ休養を続けるだけでは衰えてしまいます。
適度な「鍛え」の習慣を持つことで、残された体力を維持することができます。
もちろんその匙加減は絶妙であり、素人が簡単に判断できるものではありません。
あくまで、医師の指示と本人の自主性が最優先です。
過度の鍛錬は外道の「苦行」「荒行」に等しく、健康を害し、かえって仏道修行の妨げになります。
学会の幹部でも病気については素人なので、軽々しく「祈れば何とかなる」なとど激励するのは無責任です。
また、科学的治療を軽んじる姿勢を植え付けてしまいかねません。
蓮祖も、医師である四条金吾の治療を受けていました。
祈っていけば治療しなくても病気が治るなどという教えは、法華経にはありません。
治療に最善を尽くしたうえでの信心であることを忘れてはならないでしょう。