池田大作全集74 366頁より
回向は過去にも、現在にも、未来にも通ずべきである。
自分の善分、功徳分を、自分の心身に積み蓄えて自分の物としないで、法界に貯蓄して、社会の用に供するが回向である。
これは特に出家者に向けての御指導と拝されますが、我ら在家も心得ておかねばならない原理です。
この場合の「法界」とは、九識論の第八識「阿頼耶識」のことであると考えられます。
阿頼耶識には、全宇宙の宿業が一切蓄積しているとされます。
すなわち一切衆生は、生命の根本においては、宿業を共有しています。
したがって1人の人間革命は、ただちに一切衆生の宿命転換に通じます。たった1人が立ち上がればいいのです。
阿頼耶識に蓄積した宿業を浄化する唯一の方法が、第九識の仏界生命、すなわち南無妙法蓮華経です。
あなたの題目には、全宇宙の宿命を転換する力が秘められているのです。また、そう信じて祈ることです。