新・人間革命「緑野」より
伸一は、常に熟慮に熟慮を重ねて、物事の結論を導き出してきた。
しかし、それでも、時として悔やまれ、自分を責めることもあった。
すべての責任を担って、「最善の道」を目指そうとすればするほど、反省は尽きなかった。
「悔恨がないのは、前進がないからである」とは、トルストイの達観である。
師匠も凡夫であり、超人ではありません。
判断を後悔することもあります。
真偽は不明ですが、池田先生はかつて「公明党に人材を送りすぎた」と言われたことがあったそうです。
全国には数千人の議員がいますが、その大半は、地域で組織の中核を担ってきた人材です。
つまり、公明党の議員が増えれば増えるほど、組織の人材は不足してしまうことになります。
もとより、政治次元の戦いだけで広宣流布は実現できません。
あらゆる分野に偏りなく人材を輩出することが必要であり、その根源となるのが学会の組織です。
公明党があまりにも伸びすぎたがゆえに、かえって組織が弱ってしまった面があったのかもしれません。
前代未聞の挑戦に失敗はつきものです。肝心なのは、失敗を失敗として潔く認め、未来への教訓としていくことなのです。