21世紀への対話より
同性愛を悪いことだと考えるのは、あくまで相対的な問題だと思います。
私の気持ちとしては、生徒たちの間に、同性愛などの性的な問題は起こってほしくありません。
しかし、そういう問題が起こることも、あるいは考えられます。
それに対しては、私としては生徒の良心に任せるべきことを主張しています。
この対談が行われたのは、今から半世紀も前です。
男女交際を禁じる中学高校はまだまだ多く、まして同性愛など論外でした。
しかし、LGBTという言葉が生まれるはるか以前から、池田先生は、青少年や同性愛者の恋愛を権利として認めるべきだと考えていたのです!
現代のさらに先を行く先進性であり、ここに「池田・トインビー対談」が歴史に残っている理由があります。
もちろん、恋愛には年齢に応じた段階というものがあり、中高生が同性愛的性行為に耽ることを推奨しているわけではありません。
単なる交際と、肉体関係とは、厳密に区別する必要があります。
その上で、青少年が同性異性を問わず健全な恋愛を経験する機会が奪われてはならないでしょう。