21世紀への対話より
今日、欧米諸国でいわゆるポルノグラフィーの自由化が進んでおり、規制の枠は急速に取り払われつつあるようです。
これは青少年教育のために望ましくないとする考え方もありますが、私は、そのような心配は無用であり、まして政治権力、官憲がこれに対して抑制を加えるなどということは、誤りであると考えています。
池田・トインビー対談においては、「ポルノの是非」といったような避けられがちな話題も、正面から取り上げられていました。これが、名著の名著たる所以です。
このように池田先生は、青少年にはポルノを鑑賞する権利があると考えていました。
ポルノが悪であるという考えは、煩悩が悪であるという小乗経的・清教徒的価値観に根差しています。
しかし、煩悩の否定は自然な生命の営みそのものの否定であり、宇宙の法則に反しています。
釈尊の有力なスポンサーの1人アームラパーリーが、娼婦であったことは有名です。
「ポルノに刺激されて性犯罪が増える」という意見もあったようですが、実際にはポルノ解禁と性犯罪発生率にこれといった相関関係は存在しないようです。
ただしもちろん、ポルノには人身売買や誘拐を助長する面も存在します。モデルの人権を侵害するケースについては、特に厳しく取り締まる必要があるでしょう。