仏法では、一切衆生に仏性があると説きます。
ならば、虫けらを殺しても、人を殺しても、罪は同じなのでしょうか?
いえ、当然ながら殺人のほうが重罪です。
もちろん、虫けら一匹とて理由なく殺生するのは罪となりますが、殺人はさらに罪が重くなります。
この世で人間だけが、仏法を信解し、語り弘めることができます。「法の器」とされる所以です。
たとえ今は仏法を信じていなくても、生きている限り、いつでも発心する可能性を秘めています。
その人間を殺害することは、発心の機会を完全に奪うことであり、広宣流布の破壊となります。
したがって仏法上、殺人の罪は畜生の殺生が比較にならないほど罪が重くなるのです。
自殺の場合も同罪です。だからこそ、仏法では自殺を厳しく禁じているのです。
なお、五逆罪や正法誹謗は殺人よりさらに重い罪になると、仏法では説かれています。
王法で裁かれなくても、仏法の裁きを免れることはできず、無間地獄行きは避けられません。