新・人間革命「光彩」より
ある時代、ある段階では、社会全体の発展のために、計画経済を必要とし、それが大きな効果をあげることもある。
自由主義、市場経済をとっている国であっても、社会主義の道徳的な特質である、「平等」や「公正」の理念を忘れれば、弱肉強食に堕してしまうであろう。
自由主義か社会主義かという国家体制の選択よりも、「人間不在の政治」から「人間尊重の政治」への転換こそが、不可欠といってよいだろう。
伸一は、その新しい社会主義の指標として「人間性社会主義」を提唱していたが、その確信を、ますます強くしたのである。
日蓮仏法は全ての世法を包含する教えであり、決して社会主義を否定していません。
また、資本主義国も「福祉」「年金」「保険」等の名目で社会主義を導入しており、事実上、資本主義か社会主義かという二者択一は無意味になっています。
制度はあくまで手段であり、目的ではありません。制度のために人間が犠牲になるのでは、本末転倒です。それが、暴力を肯定していたマルクスに最も欠けていた視点です。
社会主義を補完・完成させるためにも、法華経の精神が必要なのです。