牧口常三郎箴言集より
最も遠しと見ゆる太陽より観察をはじむるをもって当を得たり
牧口先生は郷土科(地理)を各教科の中心に置くことを提唱されていました。
現代でいう、低学年の「せいかつ」ですね。
ただし、平凡な郷土教育にはムラ意識、島国根性、ナショナリズムを強化しかねない欠点もあります。
いい大人でも、自分の生活圏が全世界という人が多いものです。
そこで牧口先生は、あえて地球から遠く離れた太陽を、最初の教材とするよう指導されました。
地理教育を「天空の中心」からスタートさせるわけです。
それによって子どもの心には、自然に自らが「地球市民の一員」であるという自覚が育まれます。これ以上の平和教育、環境教育はありません。
まさに雄大なスケールであり、先生の生命が大宇宙に開かれていたことがよく分かります。
このように先生の人生地理学は、単なる社会科の1分野ではなく、天文、物理、化学、数学等あらゆる学問を内包しています。
単に宗教家というだけでなく、日本の歴史を代表する巨大な百科学者であったことを、弟子一同改めて認識しなおすべきでしょう。