真如苑とは、真言僧だった伊藤真乗が戦後に興した在家主義の真言系教団です。
ただし、大般涅槃経を依経とするため、他の真言系各宗派とは教義の上で大きな隔たりがあります。
教主の座は世襲で、現在は伊藤の娘が二代目です。
その性質から、世間では伝統宗派ではなく新興宗教とみなされています。
真如苑の最大の問題点は、教団が認定した「霊能者」が、下位の信徒を指導するスタイルをとっていることです。
そもそも大般涅槃経に限らず、仏経においては、霊魂そのものの存在が否定されています。
にもかかわらず、密教においては外道の教義を取り入れ、霊魂を事実上認めてきました。
伊藤は、この傾向をさらに先鋭化させ、いわゆる心霊主義・スピリチュアリズムを大幅に採用しました。
そのため、真如苑においては、依経である大般涅槃経が否定しているはずの霊能者が、大手をふって跳梁跋扈することになったのです。
伊藤に、仏教徒としての良心が少しでも残っていたなら、心霊主義を教団から完全に追放していたはずです。
それをしなかったのは、彼にとって宗教が「ビジネス」に過ぎなかったことを物語っています。
真如苑は、事実上は仏教団体でも何でもなく、巨大な霊感商法団体なのです。