1000人の乗客をアメリカに乗せていくとしたら、1隻の大船にまとめて乗船させるか、100艘の小舟に10人ずつ分乗させるか、どちらが安全だと思いますか?
...答えは明らかですよね。
小舟で大海を超えるのは無謀であり、無事到着できる見込みはほとんどありません。
それ以上に問題なのは、どんな小舟でも、必ず1人は船長が必要になることです。
どんな小舟であっても、必ず一定以上のレベルの船長が必要です。
舟が多すぎて人材が不足すれば、経験不足であっても、舵を握らせるしかありません。
また、交代の船長を確保することも難しくなるため、彼が急病で倒れれば、その時点で舟は漂流です。
しかし、大船であれば船長は1人でよく、交代要員も十分に確保できます。
離れ離れになる恐れもなく、舟同士がぶつかるリスクもなく、団結して目的地に向かうことができます。
「1人でも多くの中心者を育てる」
組織の人材育成において、これは正しく見えて完全に間違っています。むしろ、必要以上に多い中心者は派閥化につながります。
池田先生は「会長を目指して信心してはいけない」と指導されています。
全員が中心者を目指してはいけないし、そのように育ててもいけません。
しかし、組織を分割しすぎると、どうしても大勢の中心者が必要となり、力が無くてもともかく中心者に据えてしまうという間違った人事が多発します。
会合に出れば、右も左もナントカ長さんです(笑)小学校のクラスでさえ、そんなに多くの班長さんは必要ありません。
結局、組織の過剰な分割が、組織混乱の原因なのです。
かの足軽会も、男子学生部というミニ組織からセクトが生じたものです。
学生部は特に組織が小さく、すぐ中心者として後輩に指導する立場になるため、勘違いしてしまうリスクが高いと言えます。
ひとまず、現場では本部長が各部長を兼任するなどし、これ以上力不足の中心者を増やさないことです。
原則として、正の役職にはあえて空席を残しておくべきです。そうでなければ、人材が出てきて時にすぐ抜擢できません。
正の役職が埋まっていると、人材が出ても何年も副役職で飼い殺しとなり、組織にとっても計り知れないマイナスになります。
それと同時に組織の統合を進め、増えすぎた中心者を適正な人数に絞ることが、組織強化に不可欠です。
増やすべきは「組織屋」ではなく、あくまで、現場で折伏に励む闘士なのですから。