ある年、創価中学の寮生2人が退学処分となり、郷里の大阪に帰ることになりました。
池田先生は退学は回避したいというお考えでしたが、規則に従って現場が決定したことについては、創立者といえども、覆す権限はありません。
先生は創立者として、2人を卒業させられなかった責任を1人痛感されました。そして「2人を生涯見守っていこう」と決意され、自分が大阪に来たときは必ず会いに来るように約束させました。
2人は地元の高校に通いながら時折先生に会い、先生は2人にお小遣いを渡すなど、あたかも離れて暮らす父子のような心温まる交流を続けました。
2人は高校を出ると地下鉄の運転士として、日々、大勢の乗客の命をあずかる大任を立派に果たしていきます。また学会においても、リーダーとして活躍していきました。
現代の教育の最大の欠点は「卒業したら後は知らんぷり」であることです。
本来であれば、卒業後も進路相談などに乗り、また卒業生が問題を起こした場合には、出身校や担任の責任だって追及されるべきです。しかし、そんな話は聞いたことがありません。
まして、退学した生徒の将来にまで、個人的に責任を持とうという教育者など、皆無でしょう。
それを人知れず実行されてきたのが、教員資格すら持っていない池田先生なのです。
池田先生こそ、全教育者が目指すべき模範の姿なのです。