日寛上人の御本尊では、舎利弗や提婆達多らの相貌が大胆に省かれています。
日興上人や日目上人の御本尊にも、同様に十界の相貌が省略されたものがありますし、大聖人が最初期に表された御本尊には、相貌や四天王が記されていないものも存在します。
「教宣ハンドブック2012」での森中教学部長の説明によれば、お題目の左右に配された十界の相貌は、全体として「本有の十界」という法理を表現しているものなので、必ずしも十界の衆生全てを記す必要は無いそうです。
肝心なのは、あくまで中央の「南無妙法蓮華経 日蓮」です。
なお、法華経の虚空会に直接登場しない天台大師や伝教大師は、人界具足の仏界を代表しているものと思われます。
したがって直接記されていなくても、熱原の三烈士や日妙聖人、四条金吾や南条時光も、相貌の陣列に連なっているのです。
もちろん、あなた自身もです。