家庭革命より
私は、中小企業の経営者から、商売がうまくいかないという相談をよく受けるが、その原因が不況の中の困難さにあるとはいいながら、一面、その人自身の生活態度や家計の在り方に多くの問題が内在していることもしばしばある。
商売の回転資金も生活費も区別なしという状態のものがその典型的なものである。
(この2つを)明確に区分して厳しく実行すると、不振の商売も立ち直る例が非常に多いのである。
戦後しばらくはサラリーマンより自営業者が多かったので、経営の悩みはごく一般的なものでした。
池田先生は師匠からビジネスのイロハを厳しく叩き込まれ、事業を立て直してきた経験もあります。
実社会の厳しさを体験してきたからこそ、経営問題にも的確なアドバイスができたのでしょう。
「とにかく祈れ!」などという脳筋根性論は、先生の指導には無縁でした。
指導は具体的、現実的な内容でないと意味がありません。ふわふわした指導など役に立ちません。
それゆえ、幹部は役職が上がるほど実社会でも自ら結果を出していることが求められます。また、そうでなければどこか信心が狂っているということです。
男子部の本部長が、もう10年も派遣社員を転々としているとしたら、誰も指導を受けたいとは思いません。メンバーには経営者も公務員もいるんです。
そもそも、そういう人をあえて中心者に選ぶべきではありません。実社会で勝利するための信心であり、中心者はその模範です。
もちろん専門家の介入が必要なケースもありますが、それ以前に、当然すべきことを怠っている場合も確かにあります。幹部はそこを的確に見極めなくてはいけません。
やるべきことをやり切ったうえでの信心です。
勉強せずに題目だけで東大に合格した人はいないのです。